犬の進行性網膜萎縮は目の網膜がちぢみ(萎縮)、暗いところや夜間に目が見えにくくなり、最終的に明るいところでも目が見えなくなってしまう病気です。
トイプードルやミニチュアダックスフントなどによく見られる病気ですが、小型犬だけに限って起こるものではなく、ほかの多くの犬種でも発病が確認されています。
今回は犬の進行性網膜萎縮について学びましょう。
犬の進行性網膜萎縮の原因
犬の進行性網膜萎縮の原因は、生活習慣や外傷などではなく「常染色体劣性遺伝」、つまり遺伝性のものです。
この病気の原因となる劣性遺伝子はすでにいくつか発見されています。
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犬の進行性網膜萎縮の症状
網膜にある視細胞は光を受容するもっとも重要な細胞です。しかし、遺伝子の異常がこの視細胞に障害をおよぼすことで犬の視力が次第に低下していきます。
まず、夜間や暗いところで目が見えにくくなります。そのため不安そうな様子が見られたり、足元がおぼつかないような様子が見られます。夜間の外出などを嫌がるようになるのも症状の一つです。
症状が進むと明るいところや日中でも目が見えにくくなるため、壁伝いに移動したり、活動性が低下するといった症状があらわれます。
1~2歳の若年で発症する「早発型」と、5歳前後で発症する「遅延型」があります。いずれの場合も、網膜の萎縮が進行する、あるいは白内障を併発する緑内障に悪化するなどの結果、失明に至ります。
犬の進行性網膜萎縮の治療法
犬の進行性網膜移植は遺伝性の病気のため、効果的な治療法は存在しないのが事実です。対処的な療法として、サプリメントやビタミンなどを与えることはできます。
たとえば、鮭などにも含まれる自然の色素である「アスタキサンチン」は、進行性網膜症の初期的症状の進行を遅らせる効果があると考えられています。
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しかし網膜移植の進行自体を止める方法はありません。
そのため、目の見えない犬でも暮らしやすいように環境を整えてあげることが最大の治療と言えるでしょう。
水場やトイレの位置を固定して動かさない、犬の動線上に余分な物を置かない、散歩のコースを変更しないなどの工夫をすることが大切です。
散歩の注意点も合わせてチェックしてみてください。
犬の進行性網膜萎縮の予防(日頃気を付ける事)
網膜の萎縮はゆっくりと進行し痛みを伴わないため、飼い犬の視力が低下していっていることに気が付けないことがよくあります。
室内での犬の行動に、おどおどしたような様子が頻繁に見られるようになったら、一度目の検査を受けさせるようにしましょう。
遺伝性の病気を予防することはできませんが、早くに対応を始めることで犬のストレスを軽減することができます。